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10:00〜12:00 |
定年後のセカンドキャリア開発
−地域で生きる高齢者− |
講師:(財)奈良県長寿社会推進センター理事 川合紀子 |
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高齢者の社会活動についての啓発普及活動、生きがいと健康づくり、指導者の育成等さまざまな事業を展開している財団の取り組みを踏まえ、定年後のセカンドキャリアについてお話しいただきました。 |
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【講義の概要】 |
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1.スピードが速い日本の高齢化 |
現在の日本は、急速に進む少子化と高齢化によって人口の世代構成に変化が起きている。現代の高齢者は公衆衛生や医療技術の進歩により過去に比べ長い期間を健康に過ごすことが可能となっており、高齢者の約8割は健康である。 |
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2.長くなった人生 豊かな第2現役期 |
長期化する老後を支える基盤としては、次の4つの要素が挙げられる。 |
●心と体の健康・・・豊かな老後のために大前提となるのは健康。
●経済的安定・・・年金の受給だけでなく、高齢者の参画に対応した多様な働き方が必要。
●社会的つながり・・・生きがいを得るために、自分のために何かをすること・誰かとの関係に意味を持つこと・他人のために何かをすることが大切。
●自己実現・・・高齢期は組織の枠組みから解放され、やりたいことを実現できるチャンスでもある。 |
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3.生き方のモデルのない時代からモデルをつくる時代へ |
従来の性別役割分業観に基づく「男は仕事、女は家庭」といった価値観や「定年まで勤めれば老後の生活は安泰」という考え方は、現代を生きる人々の実体に則してるとはいえない。現代はかつて経験したことのない少子高齢社会の中で、新たな生き方のモデルをつくる時代であり、これからの日本の高齢者の生き方が「豊かな高齢期のモデル」となり得るものであることを願う。そのためには、男女共同参画型の社会を作っていくことが重要である。 |
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4.自分らしく生きる |
定年後の高齢期を心豊かに輝いて生きるためには、次のことを心がけたい。 |
●豊かな知恵を社会に・・・経験を生かして社会に貢献する。記憶力や思考力などの身体機能の低下に失意せず、自尊感情を大切に生きる。
●地域に生きる・地域と生きる・・・地域社会の一員として居場所を持ち、なじみの友人、なじみの医師など「なじみ」の人間関係を持つ。
●助けられ上手・助け上手・・・人を助けるだけでなく「助けて」と言える関係づくりも大切。 |
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