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13:00〜16:00 |
起業家・施設管理者としてのセカンドキャリア(2)
−特別養護老人ホームの運営の実際− |
講師:特別養護老人ホームさつき施設長 高木裕子、横須賀老人ホーム看護師長 山本匡子 |
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定年退職後、介護施設の管理者をなさっているお二方に、看護職が行う老人ホームの施設管理についてうかがいまいた。 |
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【講義の概要】 |
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●高木裕子さん |
「特別養護老人ホームさつき」は、神奈川県初の小規模単位型特別養護老人ホーム(新型特養)として平成15年12月に開設。新型特養は平成14年度から国の特別養護老人ホームの基本的な整備方針となっている。その特徴は、入所者ができる限り在宅に近い生活を営むことができる「個室+ユニットケア」を基本としているところにある。集団対応・一律の日課・4人床や大食堂といった非日常的空間でのケアが多かった従来の特養の課題を解決するため、8つのユニットを8軒の家の集合体ととらえ、1つのユニットの利用者同士は家族と考えている。ハードとしては、家族(ユニット)ごとに食堂・居間・浴室等が完備され、ソフト面では、スタッフも家族の一員として利用者に接する。今後、このような施設においては、人の気持ちに沿うサービスを提供するプロとしての介護職と健康面でのリーダーシップを発揮する専門職としての看護職の共同作業によるケアが不可欠である。特養での看護職には医療判断が必要とされる場面も多く、看護の力が試されるともいえよう。 |
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●山本匡子さん |
看護師の役割は、看護実践、教育・指導、調整、管理、研究・開発(JNA看護婦の業務指針)であり、職場は病院・診療所、学校・保健、地域看護(保健所・訪問看護・福祉施設)、教育・行政機関がある。老人ホームでは、日常生活の看護管理、健康管理、疾病の対応、受診の判断・処置・与薬・観察、ターミナルケア等があり、疾病でない人の死にどうかかわるかということも重要である。老人ホームで死をむかえる方に対し、どこまでの医療を提供するか(点滴・酸素吸入・経管栄養)、利用者や家族の「おまかせします」「畳の上で死にたい」「ポックリ死にたい」ということへどう対応するか、看護職がどのように関わるかがポイントになる。「自然な死」、「健康な死」への援助に向けて、スキルミックス体制でスタッフの教育や利用者のサービスの質管理をコーディネートしていくことが重要である。 |
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