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10:00〜12:00 |
定年後のセカンドキャリア開発とライフマネジメント
−よく働くこと、よく生きること−
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講師:慶應義塾大学商学部教授 清家篤 |
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労働経済学の視点から、定年後のキャリア開発の必要性をお話しいただきました。 |
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【講義の概要】 |
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1.高齢化のインパクト |
寿命の長さ、進行のスピードともに世界に類をみない日本の高齢化をデータから検証。また、諸外国との比較から「高齢化とは社会の経済的成功の証」といえ、それを真に喜べる社会にしていくことが大切である。 |
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2.社会保障制度の変革 |
人口構造の変化にともない、年金制度、医療保険制度等社会保障の持続可能性を維持することが重要である。その中で、定年後の元気な高齢者層が引き続き働くことで、社会の支え手となることが求められている。 |
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3.長くなる人生を楽しむ |
長寿化とは、個人にとって職業人生・消費人生・社会人人生が長くなることでもある。長くなる人生を有意義に過ごすためには、看護職等の職業的な能力や消費を楽しむ能力、地域社会とのつながりが必要である。 |
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4.長寿のリスクに備える |
長寿は所得のリスク、疾病や介護のリスク、孤独のリスク等をともなう。これに対する備えとして、専門性の高い職業能力や人脈といった人的ストックと住宅や債券の運用といった物的ストックの活用が考えられる。 |
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5.ビジネスのあり方も変わる |
若年人口の減少により高齢者の活用が求められており、その実現のためには、年功によらない賃金・昇進等のシステムが必要。同時に、人口増が見込まれる高齢者層は、ビジネスの市場にとって大きな顧客となる。 |
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6.必要な政策対応 |
日本は今、健全な財政運営に向けた構造改革が必要であり、今後、都市・地方間の所得移転手段は公共事業に代わり社会保障制度が担うことが期待される。長い人生を楽しみ、活力ある社会を実現するために地域の果たす役割は非常に大きいものと考えられる。 |
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