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セカンドキャリアの先輩たち
堀江良子さん
東十条病院・総合窓口勤務
患者さんの喜ぶ顔を見ると、こちらも嬉しくなります。
看護師の仕事は天職、だから生涯現役でいたいのです。

堀江良子さん画像

来院者に明るくていねいに対応をしています。

定年退職してからナースバンクに勤め、その後は総合病院の受付案内をしています。また日によっては、内科診療の手伝いもしています。案内業務は病棟の場所などを教えることから、どの科で診てもらうのがいいのかといった相談まで多岐にわたります。また、入院費など経済的な問題や、医師や看護師とコミュニケーションが取れないなど込み入った相談も寄せられます。毎日、大勢の患者様やその家族が訪れますが、多くの方が不安を抱えています。そんなとき、案内窓口に私のような熟年層の看護師がいると、みなさん、少し安心されるようですね。

「ご経験がありそうにお見受けしますが、ちょっとご相談してもいいでしょうか」と話しかけられることがよくあります。こちらも長年にわたって蓄積した専門知識からさまざまな情報を元に具体的な説明をしますと、とても喜んでくださいます。特に最近は、高齢者とその家族から次の入院先を探す相談が多くなっていますが、その点、私はナースバンクに勤めた経験から病院情報についても知っており、対応ができます。

また、別に用はなくても「あなたから『もう少し歩いてごらんなさい』と言われたから、少しがんばってみたら本当に歩けるようになりました」と嬉しそうにお礼を言って帰られる患者様もいます。病状が軽くなった喜びを誰かに伝えたいという気持ちもあるのでしょうね。

ときには内科診療の現場で、仕事をすることもありますが、以前、自分がまだ若いときは、高齢の患者様のことがよくわかりませんでした。でも今は、高齢者の気持ちが理解できるようになりました。たとえば、「検査を受けていってくださいね」と医師が言っても、受診後すぐ帰ってしまう患者様がいます。医師の説明をよく理解できていないのです。そのような方には、状況が許す限り私が一緒に次の検査室までついていってあげて、もう一度医師が言っていた説明を繰り返してあげるのです。医師と患者様の橋渡しといった役目も、熟年の看護師ならできることなのです。

私自身はもう70歳に手が届こうとしていますが、ずっと現役で働いてきました。友人からは「そろそろ仕事を辞めて、自分の楽しみでも見つけたら」と言われるのですが、私は看護師の仕事を天職だと思っています。なぜって、患者様と関わっていることが楽しいし、私がしたことで人が喜ぶ顔を見られるのが何より嬉しいのです。それに、自分がずっと働きながら学んできた知識を実際に生かすことができるのですから。

今でも休みの日などは、気になるテーマの講演会やシンポジウムを新聞などで見つけては出かけて行きます。医学は非常に早いスピードで進歩しており、常に勉強していないとどんどん遅れてしまいます。患者様に適切なアドバイスをするには、こちらが正確な情報をつかんでいないといけません。だんだん年齢が上がってくると、視力が落ちるなど不便なことも出てきますが、それでも社会との接点がある方がいいと思うのです。人のためだけじゃなく自分のためにも生涯現役でいたい。そんな気持ちで、毎日、案内窓口に立っています。

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