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セカンドキャリアの先輩たち
柴野ノブエさん
奈良県看護ボランティアの会代表
看護職は一生看護職。
看護で地域に貢献することは前向きに生きること。

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看護職のグループワークに、話題提供者として参加する「看護ボランティアの会」のみなさん。

「看護ボランティアの会」は、看護職の経験や知識・技術を生かして地域に貢献することを目的として、平成15年に発足しました。会の設立にあたって、準備段階ではナースセンターに職を探しに来られた方や、知り合いの紹介などで仕事をしていない看護職を探し、「ボランティアとは」という研修会を開催しました。その研修に参加した30名ほどの参加者からさらに有志を募り、約20名の会員で発足の運びとなりました。現在は36名の会員組織になり、会員も徐々に増えています。私自身、定年を迎えるまではずっと看護の現場にいましたから、この会を設立する以前にこのような会員組織のマネジメント経験はありません。それでもこの会を立ち上げることができたのは、看護協会の方の協力とさまざまなキャリアを持つメンバーの知恵があったからだと思います。

「看護ボランティアの会」は、長年勤めて定年退職した人だけでなく、子どもが小さいなどの事情でフルタイムで働けないけれど看護の経験を生かしたい人など、年齢も職歴もさまざまなメンバーで構成しています。看護のキャリアは短くても母親あるいは主婦といった生活者としての経験が豊富な人もいれば、大きな病院での豊かなキャリアはあるものの、病院外の地域社会のことは知る機会がなかった人もいる。このように、違う視点を持った者同士が集まって意見を交わせることが、いい刺激になっていると思います。

この会を通じていろいろな人と接して思うのは、その人の物事への取り組み方は、それまでの生き方と密接につながっているということです。それまでの人生で前向きに生きてきた人は、新たに何かに取り組むことにも前向きですが、ただ漫然と生きてきた人は、こういう会にもまず入りません。社会に出てからの生き方は、定年後も含めたその人の人生に大きく影響しているのです。私は現役時代、病院で配置換えがある度に新しい配属先で一つか二つは今までできなかったことをすることを自分に課してきました。その経験が会の立ちあげにつながっているのかもしれません。

現在、「看護ボランティアの会」が行っている活動は、地域事業活動と講師活動、身障者・高齢者イベントの救護班、「まちの保健室」相談員などが主となっています。端的にいえば、市民と行政との橋渡し的な役割です。発足から2年目を迎え、看護職が地域で果たす役割は何かということが、次第に蓄積されてきているように思います。今は行政から依頼された活動が多く、講師をしている研修の内容も先方で企画したものが多いのですが、今後の課題としていずれは独自の取り組み、いわば「看護ボランティアの会」の目玉商品を打ち出していきたいと思っています。そのためには、会員の人材と情報と組織力の強化が必要と考えています。

私自身の経験からいえば、定年したらのんびりしたいと思っていても3か月も経てば退屈するものです。これからセカンドキャリアを目指す人には、まず自分の気持ちを声に出して仲間を増やしてほしいと思います。やはり、看護職は一生看護職。仕事を通じてつながり合える仲間がいるということは、大きな財産なのです。

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