トップページ心豊かな老後のためのライフプラン > 健康〜ますます延びる平均寿命〜

心豊かな老後のためのライフプラン
健康〜ますます延びる平均寿命〜
女性の平均寿命が85歳を突破! 女性の平均寿命が85歳を突破!

『人生50年時代』と言われていた数十年前には、いかに長く生きるかということが大きな課題でした。その後、急速な経済成長や食糧事情の変化に伴い、わが国の平均寿命は著しく伸び、現在では『人生80年時代』と言われるまでの世界一の長寿国になっています。

厚生労働省の平成14年簡易生命表によると、男性の平均寿命は78.32歳、女性の平均寿命は85.23歳。前年と比較して男性は0.25歳、女性は0.3歳上回り、男女とも過去最高を更新しました。中でも女性の平均寿命は初めて85歳を超え、男女差は6.91歳と前年より0.05歳拡大しています。

表:平均寿命および65歳時平均余命の伸び
女性の定年後の人生は22年以上

平均寿命の高さもさることながら、老後のライフプランにおいて注目すべきは平均余命です。同簡易生命表によると65歳時の平均余命は男性17.96歳、女性22.96 歳であり、前年より男性は0.25歳、女性は0.3歳延びています。つまり65歳定年の場合、定年後の女性の人生は22年以上、60歳定年であれば27年以上もあることになります。

また、長寿化の一方で、この間に疾病構造も感染症から生活習慣病へと変わり、中でも「悪性新生物(がん)」「心疾患」「脳血管疾患」の三大死因が全死因の6 割以上を占めるようになりました。これら生活習慣病の中には、後遺症等が重篤なものも多く、身体機能の著しい低下、寝たきり、痴呆等に至る場合もあります。これからは単に寿命の延伸だけでなく、いかに健康を保ちながら長生きするかが高齢期の人生を左右する鍵となってきています。

2003年12月に世界保健機関(WHO)が発表した2003年世界保健報告で、日本人の平均健康寿命は加盟192か国中トップという結果が出ています。健康寿命とは、健康に過ごせる人生の長さを表し、平均寿命から日常生活を大きく損ねる病気やけがの期間を差し引いて算出します。同報告による日本人の健康寿命は平均75歳で、男女別では男性72.3歳、女性77.7歳。この試算の公表を始めてから4年連続で男女とも世界一の座を維持しています。世界一の平均寿命に比例して健康寿命も長いのは当然ともいえますが、健康寿命の世界一は、平均寿命の世界一よりさらに価値あるものではないでしょうか。なぜならこのことは、日本のシニア世代が世界で最も元気で活力を維持したまま年齢を重ねていることを表すものといえるからです。これらの数値からも、職業生活からリタイアしてしまうには60歳は早すぎることがうかがえます。

 
  表:健康寿命上位国
 
  健やかな老後のための心のケア
 

豊かな老後を送るためには、長くなった人生をいかに健康で生きがいを持って送るかが重要です。そのためには、現役をリタイアした後、身体の健康はもちろん心の健康をも保持することが大きなポイントとなります。しかし、働く中高年の中には、それまでの職業人生で仕事と家庭の往復に終始する忙しい生活を送ってきたために、定年を迎えた途端に大きな喪失感を感じるといったケースもあるようです。定年後の生活は多くの場合、時間的なゆとりが増える一方で、身体能力の低下、孤独や不安、社会的役割の喪失などを背景に、心の健康が脅かされやすい時期でもあります。心の健康を損なうと、活動性や向上心、興味といったものが減退し、保守的に過去に生きようとする傾向が見られがちです。さまざま経験や苦労を経てたどり着いた、熟年期を実りあるものとして大切に生きていくためには、「心身の衰えを自覚し受け入れる」「これまでの経験を振り返り意味あるものと評価する」「支え合い、話し合える家族・友人を作る」「社会的・市民的義務を引き受ける」など、健康を保つための心の準備が必要といえます。こうした面からも、それまでのキャリアを生かしながら定年後も何らかの形で社会に貢献していくことは、いつまでも心身ともに健康を保ち、ハリのある生活を送る上で、有効な手段の一つといえるでしょう。

 
このページのトップへもどる